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私はそうたくさんの種類のモーターサイクルに乗った経験はありません。本気で乗ったモーターサイクルはMOTO GUZZIだけと言ってもよいでしょう。しかし私はほかのモーターサイクルに乗ってみたいとは思いません。MOTO GUZZIに満足しています。私の感覚にぴったり合うのです。感覚というのは主観的で個人的なものです。しかし、思想や美意識など抽象的感覚における主観は客観の内在化であるのに比べ、モーターサイクルに乗ったときの感覚などの身体感覚は、純粋主観ともいえる、その人の完全に個人的なものだと思います。その純粋主観の世界で私の感覚を満足させてくれるMOTO GUZZIというモーターサイクルの存在は得難く貴重なものです。 |
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その日東京地方に梅雨明けの宣言がなされ、前日までとはうって変わって雲一つ無い素晴らしい天気でした。
昭和六十年七月十五日、場所は新宿京王プラザホテル、SEIMM MOTO GUZZI S.p.a.* のExport Sales ManagerのG.R.ERMELLINI氏がイタリアより来日され、当時日本総輸入元の「諸井敬商事株式会社」主催により全国代理店を招いてのモトグッチ ディラーズ ミーティングの催しがございました。その時にわたくし共モトグッチ オーナー十数名もお招きに預かり同席させていただきましたが、ミーティング終了後諸井敬氏よりこれを機会にモトグッチのクラブを創ってほしいとのお話がありました。その後数名が発起人となり会発足に向かっての打ち合わせをかさね、会の名称、役員の選出、それに会則を定めまして昭和六十年八月一日を以ってモトグッチ オーナーズ クラブ オブ ジャパンの名称で発足致しました。 発足当時はゼロから始めましたので、クラブエンブレムを作るにもツーリングウェア一つ作るにも大変苦労をしましたが、今にして思えば懐かしい思い出ばかりです。クラブ発足以来幾星霜を経てここに無事十五年を迎える事ができましたが、これには役員の方々のご苦労もさることながら会員の皆様方の温かいご協力があったればこそと思います。当クラブの歴史の断片はイタリア・モトグッチ社にも記録として残っており、この時代にこのクラブの会長として過ごせたことを名誉に感じると共に、自身の人生の中での貴重な財産として受け止めております。 又、オーナーズ クラブが今日まで節度あるクラブとして円滑に推移してきた背景には志賀氏(株式会社 モトグッチ リパラーレ)の多岐に渡っての多大なるご尽力があった事をこの場をお借りして付記させていただくと共に感謝の意をのべさせていただきます。 さて私は昨年(平成十一年)をもちまして会長職を離れ、ミレニアムを迎えるクラブの更なる発展を託し前副会長の伊達氏に引き継いでいただきましたが、この度新会長の元でオーナーズクラブのホームページ開設の運びとなり、誠に慶賀の極みであります。この新たなる展開も含めて今後もオーナーズクラブの活躍を祈念いたしております。 そしてどうかモトグッチオーナーズクラブと共に日本の多くの方々が、モトグッチ車を末永く愛して下さることを切に願いつつ筆を置かせていただきます。 |
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*1989年 GBM S.p.A. に社名変更
*1996年 MOTO GUZZI S.p.A. に社名変更 |
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