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ひょっとして脱税!?

モトグッチリパラーレでお預かりしたインジェクション車、いざ整備を始めてタンクを外してみると、外気温センサーあるいは吸気温センサーに施されたイタズラに気づくということがたま〜にあります。イタズラというのはECUに実際とは異なる気温情報を送り込むために気温センサーからECUへの配線上に後付けパーツをひとつ加えてあることなのですが、そのパーツの中身は恐らく抵抗(電気部品の)なのでしょう。
 
気温センサー(温度センサー)の正体はサーミスタという温度の変化に応じて抵抗値の変化が大きい抵抗体です。抵抗値によってECUに温度情報を伝えていて、どのような情報かというと、温度が上がると抵抗値は小さくなり、温度が下がると抵抗値が大きくなるのです。なので抵抗を増やしてやれば実際より低い気温だとECUに勘違いさせることができるのです。そうするとECUはそれに対応して燃料噴射時間を増やす、つまり燃調を濃くするのです。
 
このパーツを付けていたお客さまに経緯を伺ったら、アクセルオフ時のアフターファイヤー(パンパンと音がするサイレンサーなど排気系の中で起きる異常燃焼)が気になったから装着したということでした。たしかに環境性能をクリアするために近年のセッティングはリーン(薄め)に振っています。それを濃く(リッチに)すればアフターファイヤーは収まるかもしれません。それでも抜けの良すぎるサイレンサーを付けていたりすると、それでも収まらないこともありますが。


 
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上の図はモトグッチがエレクトリックフュエルインジェクション(EFI)を導入した当時のワークショップマニュアルに載っているイラストです。燃料噴射(図の表題でいうiniezione)と点火(同accensione)を制御する回路の様子で、モデルはカリフォルニアIIIです。カリフォルニアIIIにはキャブレターモデルとEFIモデルがありましたが当時の輸入元の判断でEFIモデルは日本に輸入されませんでした。(余談ですがこの頃のモトグッチは、新しいシステムを導入するときはいつもカリフォルニアに最初に採用させていました)そして図中、エアークリーナーボックスに取り付けられた吸気温センサーを矢印で示しました。まさにこの吸気温センサーとECUを結ぶ配線の途中に先に書いたパーツを割り込ませていたのです。それによって燃料噴射時間を増やして一率に燃調を濃くすることによってアフターファイヤーを防ごうとしているのです。
 
ただ・・・・・この燃調を濃くするということに、ど〜〜〜うにも腑に落ちない側面を感じていたのです。
継続検査、いわゆる車検を受けるたびに私たちが払っている自動車重量税は現在(2020年6月)、自家用小型二輪車の場合年額1900円と定められています。なので車検受検時に2年分の3800円を納付しなければなりません。ただし車齢を重ねていって新車登録から13年超・18年超と進むほどに増税されて最終的に年額2500円、つまり車検受検時には2年分の5000円の重量税を納付しなければならなくなりました。ただ、リパラーレのお客さまには20年30年と同一モトグッチに乗り続けていらっしゃる方が多く、そういう方は「もともと5000円だよ、普通じゃん?」と思われるでしょうが、平成24年度税制改正でそれまで全ての自家用小型二輪の継続検査時の重量税が5000円だったのを3800円に改正したうえで、新車登録から18年超の車齢になると「古いがゆえ」に「3800円から1200円分の増税(2年)」となっているのです。もともと二輪車の場合はエコカー減税の対象にはなっていない一方、18年超などの古い車両つまり環境性能の面でも古くて環境負荷が大きい車両は、エコカー減税同様の観点から増税対象になるということのようです。
 
アフターファイヤー解消のために細工をして燃料を増量したら、いわゆるクリーンな排出ガスの範疇を越える可能性があります。新しいモデルであるがゆえに、つまり環境性能が基準に達しているがゆえに古いモデルに比べて重量税が安いのにも関わらず、もし排出ガスがクリーンではなくなったらば、燃費が悪くなったらば・・・・・ならばそれは言い換えれば昔ながらに5000円の重量税を払っている立場からしたら「脱税に値する!?」のではないかとかねがね感じていたのです。いつの日かそういう主張を当ブログに書いてみようと思っていたのですが、私が3年前に作ったV65スクランブラーの土台としてオークションで入手した中古V65フロリダが、製造年1986〜1995年(昭和61〜平成7年)だったにも関わらずなんと重量税3800円だったのです。最も古く製造されたV65フロリダだったとしても平成24年度税制改正の前の非エコなモデルなのにです。
このV65フロリダは型式不明として登録されていたので、製造年不明ということからそのような処理がなされたのか?単純に日本国内での初年度登録が新しいからなのか?輸入は新車しかしたことがありませんのでそこはわかりませんが、結果として実際には現代のエコな基準はまず満たしていないであろうに重量税は最新のモデルと同等に認定されているのです。あれれ!?これでは他人のことは言えないではないか・・・・・と、少々筆が鈍っていたところなのでした。が、結局は書いていますが(笑)
 

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さてさて、実は自動車重量税はそもそも道路の建設や整備に充てる道路特定財源としてスタートしたのに目的とする道路整備も目途がついたからとなんにでも使える一般財源化して徴収し続けるのはけしからん!であるとか、そもそも自動車の重量に応じて道路の整備に充てるという性格の重量税なのに、すでにガソリン税も常日頃払っているにもかかわらず環境性能によって減税だの増税だのはそぐわないのではないかという様々な議論もあるようですが・・・・・
 
それは置いておいて(笑)
 
問題のパーツを付けるとECUがどのような勘違いをさせられるのか、実車を診断機に接続して調べたことがあります。表示された気温はなんと−15度!!そのときの室温は23度でした。38度ほどの差になります。上の図はモトグッチが採用してきた2タイプの気温センサーと、その温度と抵抗値の表です。もう暑くなってきましたので、38度程度の差をこの表をもとに、温度は室温が30度、診断機上が−10℃と仮定すると、抵抗値の差は16.599−2.417=14.182kΩになるので、14kΩの抵抗を気温センサーとECUの間に割り込ませるとECUは+30度を−10度と勘違って認識するということになります。
ただし表をご覧の通り温度が低くなるほど抵抗値の変化の度合いが大きくなるので、14kΩの抵抗を使えばどの気温からも40度低くなるわけではありません。またこのようなパーツをどれくらいの数のメーカーが作っているか知りませんのであくまでも一例です。ちなみに今まで見させていただいた範囲ではこのようなパーツをつけているとたいていプラグは焼けていないようです。では気温を40度も勘違いさせられると一体どれくらい燃料が増量される=濃くなるのでしょうか?
 
「PV=nRT」
これは理想気体の状態をあらわす方程式です。P(圧力)V(体積)=n(mol=分子数)R(気体定数=0.082)T(絶対温度K)となります。
 
いかにしてこの方程式が導き出されたか?、気体定数ってナニ?、等の細かい説明まではご勘弁願います(笑)この方程式で見ていただきたいのは、圧力と体積が一定ならば、分子数は温度に反比例するということです。これをエンジンの燃焼室内に置き換えると、吸入された混合気の状態(圧力と体積)が仮に一定ならば、そこに含まれる酸素量は気温に反比例する、つまり気温が高くなれば酸素量は減り低くなれば増えるということです。「冬は(酸素濃いから)ガス濃くしよう」みたいなライダーのやり取り(言いませんか?笑)の根拠がきっちり方程式であらわされているのです。
 
では計算してみましょう。まずここまで温度の単位を「度」とのみ書いていましたが、言うまでもなくこれは摂氏、記号は℃、セルシウス温度です。ですが上の方程式では絶対温度、記号はK(ケルビン)を使うので換算しなければなりません。0K=−273℃とします。すると先の仮定の温度を換算してみると室温30℃は303K、診断機測定値−10℃は263Kとなります。
なので気温を30℃から−10℃に勘違いさせるということは絶対温度で303Kを263Kに勘違いさせるということになります。つまり気温は263K÷303K=0.867倍に勘違いさせられたということであり、それに基づいて気温と酸素量が反比例するので酸素のほうは1÷0.867=1.153倍になったと判断されます。なので酸素量が増えたと勘違いさせられたECUはそれに応じて本来の設定から15.3%ほど噴射量を増やしてしまうのです。この計算のあたりは某自動車メーカーの開発の方のお知恵拝借しましたが、私の消化不良で説明に間違いもあるやもしれません。なにか重大な間違いにお気づきの方はどうぞご指摘ください!
なおこれはあくまでも理論上です。燃料噴射量は様々な情報を集めて計算されています。これはある仮定(室温等)にたって、気温以外の条件は全て同条件とするとこんな推計ができるかな〜、というものとご理解ください。


 
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それにしても、もしこのイタズラによって燃費が15%悪くなるとしたら、環境性能を達成すべく努力した開発者は涙がちょちょぎれることでしょう。先にプラグが焼けていなかったと書きましたがそれも無理ありません。燃調はさまざまな状況に合わせるべくマッピングされているのに、そこから全領域一律に濃くされているのですから。低負荷時もアイドリング時も無駄に濃くなっているわけです。それなりの走り方をしないと標準プラグが焼けるはずもありません。 
 
また排ガス規制車の場合、車検時には件のパーツを外しておけばガス検は通るという前提なのかもしれませんが、常時濃い状態で走っていたら吸気系〜排気系に残留ガスが残っていてガス検に合格できないことも想定できます。キャタライザーの劣化が早まって早期に交換しなければならなくなることも考えられます。ご用心ください。なおアフターファイヤーの発生はリーンだけでなくリッチな場合にもあり、抜けが良すぎる社外サイレンサーが原因の場合もあります。また、バルブクリアランスの不正や左右シリンダーの同調がとれていないことが原因の場合もあります。そのあたりもっとモトグッチに限らずメーカーサイドが啓発する必要もあるのかもしれませんね。
 
最後に、この稿を書いているうちに、ついでだからV65スクランブラーの排ガスをチェックしてみようかと思い立ちました。
こちら排ガス検査機にかけた様子です。
 
パイプをあてているのはプローブ(サイレンサーに差し込んでいるガス吸入ノズル)の入り方が浅かったのでサイレンサーエンドから2次エアーを吸わないようにしたものです。
測定結果はCOが4.7%ほどでHCが300ppm台、もう少しで車検時にガス検が義務付けられている平成11年規制のCO4.5%以下まであと一歩!、HC2000ppm以下のほうは軽々クリアしていました。1980年代のキャブセッティングです。検証が目的なので、もちろん数値を下げるためにキャブをいじったりはしていません。キャタライザー無しのキャブレター車ではなかなか良い数値だと思いませんか。V35イモラIIののち、30年ほど1000ccクラスのモトグッチのみ乗り続けてから近年久々にスモールツイン2バルブのV65に乗り、車体も軽いうえに小気味よく回るエンジンに改めて目からウロコと感じ入っていたところでしたが、燃焼室の形状など割と打算的に設計されたのかな〜と失礼ながら思っていたエンジン(V7シリーズで最近までこの設計は継承されました)が実は相当な環境性能を先取りしていたとはさらに驚きでした。
 
とはいえ、案の定私自身も重量税脱税?状態には変わりありませんでした・・・・・この話に進展(例えば、当局の摘発を受けてしまった)などありましたらまた書かせていただきます。
 
mas

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ガソリンタンク

このコロナ自粛の中モトグッチリパラーレも営業自粛したり時短勤務になったりとしたのでゴールデンウィーク+αの時間ができまして、かねてから考えていた自宅の災害対策を進めたりしておりました。たとえば昨年の令和元年台風のとき多くの方がやったのではと思いますが窓ガラスに段ボール等を貼って割れたガラスの飛散防止がそのひとつ。強風や台風の予報のたびに段ボール等をかき集めるのも手間なので(気候はますます荒れて強風の頻度もあがるかもしれませんし)、ホームセンターでプラスチック段ボールを買ってきて窓のサイズに合わせてカットしました。
 
その他いろいろやったのですが、少々出費を伴ってしまったのはポータブル発電機の購入です。停電時に地域でガソリンを持ち寄ってスマホ充電スポットを作れたり、真夏の停電時はせめて扇風機を回したら避暑寄り合い所を作れるのではと思いまして。
ということで届いた発電機の試運転も無事済ませて、しまい込む前にタンクのガソリンを抜いて、さらにガス欠ストップするまで発電機を回しました。一度カバーもあけて内部のガソリンも全部抜けるかどうかチェックしようと思っています。毎週使うものならともかく次にいつ使うかすらわからないので、やはりガソリンの入れっぱなしはよくありませんから。


 
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さて、ここ数年と言ってよいでしょうか、インジェクション車(もちろんモトグッチの)の燃料フィルターの詰まりや燃料ポンプの故障というトラブルが散見されるようになりました。それらフィルターの中には錆びのような粒子状物質が詰まっていたり、ポンプにはフィルターを通り抜けてしまった微細な粒子状物質が堆積して回らなくなっているものもありました。フィルターは定期交換部品ですからまだよいとして、ポンプの交換は痛い出費です。
この原因は・・・・・よく言われがちなのは?「タンクに水が入って錆びた」。そうですね、モトグッチもインジェクション車からでしたか、エアプレーンタイプのタンクキャップが使われ始めて、その初期のころのキャップは開閉時に水が入りやすく、入りやすいがゆえに設けられていた水抜き用のドレンパイプも詰まってしまっていてタンク内に水が入ったという事例もありました。その後改善されて水が入りにくい形状のキャップが使われるようになりました。
 
ただ、「粒子状物質」と変な書き方をしたのはわけがありまして、粒子状物質は錆びだけではなく、色からして錆びではないと見受けられるものもあるからなのです。そして実はそれは、ガソリンがイタズラしたことが原因である可能性があるのです。
「タンクの中が錆びないように常にガソリン満タンにしておく」という方はいらっしゃると思います。でもガソリンも長期放置しておくと劣化するのです。なにが起きるのかと言いますと、酸化して蟻酸や酢酸に変化して金属に対して攻撃性をもち、それによってガソリンタンク内部が腐食して粒子状物質(以下、腐食カスとしましょう笑)を生じさせていたのです。長期というのがいかほどのものか?またその他環境などの条件にも左右されるのかもしれませんが、まず、そういうことが起きるのだとご理解ください。トラブル防止のためのガソリン満タンも度が過ぎると結局錆びによるものと同様なトラブルを招くとは皮肉な話です。
また、タンクの錆び対策で水抜き剤を入れることがありますが、書きましたように錆びに思えても違うということがあります。水抜き剤とガソリン酸化防止剤(兼洗浄剤)を混同・誤用してはいけません。対策するにしてもご自分が向き合っているのが水による錆びなのか?腐食によるものなのか?見定めなくてはなりません。
 
実は中古車購入後に不調が起きてお見えになったお客様のインジェクション車でこのようなトラブルが起きていたことがあります。購入後すぐでもあり、もしかしたら前オーナーは不調に見舞われ、その原因が燃料系の詰まりと気づかずにあきらめて手放すに至ったのではと思ったものです。このような次第でモトグッチリパラーレでは近年、整備履歴がわからない(ネットで中古車購入後など)インジェクション車が整備入庫した際は燃料フィルターと燃料ポンプは転ばぬ先の杖で交換することをお勧めしています。
 
ちなみにキャブレター車の場合フロートチャンバー内に微細なカスが若干溜まっているのを見ることはありますが、それが堆積して詰まりを生じてトラブルに至ったということは稀ではないかと思います。
そのかわりフュエルコックが詰まった事例はありました。コックの上についているフィルターが詰まったのではありません。フィルターを通り抜けた微細カスがコック内部に沈殿してガソリン流路を塞いでいました。


 
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こういったトラブルを防ぐ狙いもあったのか、モトグッチの近年?のモデルのガソリンタンクは樹脂製になりましたが、金属製のタンクの場合は空にしておくのも錆びそうでなにか不安だし、かといってガソリン満タンにして長期放置してもいけないならどうすればっ?・・・・・大きなカスはフィルターが止めます。フィルターを通り抜けた微細カスはエンジンが動いている分には流れていって燃焼室に吸い込まれ、燃焼室内で燃えなくともエキパイを通って外に排出されるということが想像されます。しかし長くエンジンを動かさないとどこか溜まりやすいところに沈殿〜固着を繰り返し積み重ね、ガソリン流路や、それほど内部が狭いわけではない燃料ポンプすら詰まらせたのでしょう。つまり結局のところ適度な期間内に走ってガソリンを新しくするのがベストなのです。
そうは言っても、どうしてもご事情により長期保管しなければならないお客様はどうかご相談くださいませ。ちなみに最初に書いた私の発電機は、分解して極力内部のガソリンを抜いたあと、ガソリンタンクには乾燥剤でも入れておこうと思っています。
 
ところで 、
ガソリン満タンの話のついでに書きますが、整備でお預かりする車両がガソリンほぼ満タンであることがままあります。自動車整備業ですので仕方がないものの、工場内の総ガソリン量があまりに多いのも気味が悪いものです。ガソリンタンク満タンなのは恐らく最後に乗られたときに満タンにしてから帰宅して置いておかれたのだろうなあ?と推測しておりますが、たまにトリップメーターが2〜3kmということがあります。ああ、ご来店直前に入れたんだなあ〜(泣)と・・・・・。
整備の際はガソリンタンクをはずすことが多くあります。車検整備や12ヶ月整備のときは必ずはずします。その際満タンで重いタンクを落としてはいけないので、ガソリンを携行缶に移してから運搬しています。タンク落下、ガソリン劣化、こういったさまざまな要素から、不要不急のガソリン満タンは避けていただければ幸いです!
 
mas

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シールテープ

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以前からよく見かけていたのですが、フュエルコックの取り付けねじ部に巻かれたシールテープ。この部分からのガソリン漏れやにじみに対処したものでしょう。もしかしたらわりと一般化した手法なのかもしれませんが、はっきり言って間違っています。
 
画像の車体ではにじみが止まらなかったことがわかりやすくシールテープが変色しています。まあたまにこういった変色が無い、つまり結果的ににじみが止まっている車体もあることも事実です(ただしシールテープが効いたせいかどうかまではわかりません)。ただそれは幸運だっただけではないでしょうか。
ではなぜこのフュエルコック取り付けにシールテープを使ってはいけないのでしょうか。実はシールテープが有効かどうかはネジの形状によるのです。

 
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手描きで申し訳ありません、上の図をご覧ください。
シールテープによるシーリングが有効なのはテーパーねじのほうなのです。図では4山のめねじに4山のおねじを差し込んでいくイメージです。黒い矢印は締めこんで行く方向です。テーパーねじは締め付けの序盤ではゆるゆるで、終盤にめねじとおねじの面がピタッと合うように作られています。その接触面積が広いので耐密性が高いのです。ただ隙間がまったくゼロというわけにはゆかず、そこを補助するのがシールテープなのです。
 
一方平行ねじ(一般的なねじ)は、めねじよりおねじのほうが少し細く作られています。考えてみてください、もしきっちり同じ径(もしくは極めて近い径)で作られていたら摩擦が大きすぎて入っていくことも困難なのです。適当な隙間があるのでするすると入ってゆき、ボルトあたまが着座するとボルトあたまの方向(矢印A)に引っ張られるので、めねじとおねじの片面(図では右側)が密着するのです。ただし、この図ではわかりやすく大きめに描いていますが、密着した面の反対側の面には隙間ができます。これを立体化するとらせん状の隙間(つまりらせん状の通路)となるので耐密性は期待できません。

 
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ですので、平行ねじの場合はガスケットを使う必要があります。
上の画像はフュエルコックに使われているガスケットです。ナットの中で2つのパイプにはさまれています。燃料タンク側のパイプには正ねじが切られて、コック側のパイプには逆ねじが切られているのでナットを締めこんでゆくと2つのパイプがより密着してガスケットを強くはさむ構造になっています(この画像では上下ともフュエルコックのねじ部を撮っています)。この構造での漏れやにじみが出たときの正しい対処法は、「ガスケットを点検・新しくする」「ガスケットが接触するパイプ面に異常がないか点検・修正する」「ナットに割れがあったりねじが傷んでいないか点検・新しくする」となります。

 
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もし、ガスケット・パイプ・ナットに異常があったら、いくらシールテープを巻いても漏れ・にじみは止まりません。上の図で説明します。
ナットを締めこむと左右2つのパイプ(タンク側とフュエルコック側)は矢印Bの方向にはさんだガスケットを圧縮しようとします。それによって耐密性が高まるのですが一方、両パイプのねじはナットのねじに矢印Cの方向に押し付けられるのでねじ山の反対側(図では内側)に隙間ができます。この隙間はテーパーねじのものよりも大きいので、もしガスケットなどに異常があってガソリンをシールできていなかったら、構造上シールテープを巻いたくらいでは対処できないのです。「ガスケット面でシールする」という、構造に即した対処をしましょう。
 
ちなみになぜこのフュエルコックに耐密性の高いテーパーねじを使わなかったのかというと、テーパーねじがキュッと締めてゆくほど耐密性が高くなる反面、適当なフュエルコックの向き(角度)で止まらない可能性が高いためでしょう。平行ねじならナットのみを回して締めこめるので、フュエルコックを任意の角度で取り付けることができるのです。 
 
mas

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連休のお知らせ

モトグッチオーナー各位

毎度ご愛顧いただきまして、有難うございます。

「緊急事態宣言」の折、おそれいりますがリパラーレも業務休業と致します。
皆様にはご不便をお掛けしますが、ご理解の程お願い申し上げます。

休業期間 4月28日〜5月6日迄
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皆様”コロナウイルス”には充分ご注意下さい。

休み明けには業務遅れを取り戻すべく頑張らなくてはいけませんので、
整備にお持ちいただきましたら幸いです。(笑)

宜しくお願い致します。


RIPA-Shiga

ゴクミ

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V11のファイナルケースです。クラッチ等の整備のためにエンジンを降ろすべく作業していましたら、ファイナルミッションのピニオンシャフトが振れてしまっているのを発見したのです。
 
画像は一度ケースや各パーツを分解・洗浄したのち、位置関係がわかりやすいように仮組みしたものです。ケース内にギアが見えていますが、これがピニオンシャフトです。


 
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さて・・・・・・・なんでこんなになっちゃったのだろう・・・・?と思いつつふと見ると、なんと答えは簡単なものでした。うっかりミスで生じたダメージは大きいものでしたが。
 
画像左端をご覧ください。ドライブシャフトの両端に設けられた2つのカルダンジョイント(ユニバーサルジョイント)の角度(位相)がずれて組みつけられていたのです。カルダンジョイントは十字の軸を4つのベアリングがホールドしていて2つの角度の異なる軸の回転力を伝えることが出来ます。
画像のドライブシャフトは奥がトランスミッション側で手前がファイナルミッション側です。本来は画像中央のように2つのカルダンジョイントの位相を揃えて組まなければならないのですが、画像左端のようにスプラインで接合しているので間違って組むこともできてしまうのです。
 
表題のゴクミはもちろん元アイドルの彼女のことなのではなくて「誤組み」という意味なのでした。


 
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後ろ側、ファイナルミッション側のカルダンジョイントと、手元にあった850ルマンのダブルジョイントを並べてみました。ダブルジョイントから2つのカルダンジョイントの位相が揃っているのがわかると思います。
 
ちなみにこの部品はユニバーサルジョイントとも呼ばれるのですが、モトグッチ社のパーツリストではGiunto Cardanico カルダンジョイントと書かれています。これは1500年代のイタリアの数学者Gerolamo Cardano ジェローラモ・カルダーノが2つの軸の角度が異なっても回転運動を伝えられる機構の原型を考案したことに由来しています。この発明が後年、シャシ上にエンジンやモーターがあって駆動輪はバネ下にある自動車や電車の発達に寄与するなんてカルダーノ氏も夢にも思わなかったでしょう。ちなみにユニバーサルジョイントという名称はアメリカで1884年に降りた特許で使われていたのだそうです。
 
さて、問題はカルダンジョイントは2つの軸、入力軸と出力軸の角度差がついても回転を伝達しますが、実は等速で回るのではなく360度回転するうちに増速と減速を2回づつ繰り返すという性質があります。そして2つの軸の角度差が大きくなると周速度の差も大きくなるのです。つまり不等速ジョイントなのです。身近なもので竹などでできたヘビのおもちゃみたいなものしか思いつかなかったのですがアレは十字構造になっていません。同じ構造のジョイントを回転させるとき、クリックリッと重い箇所があるのですがイメージできますか?(←ほかに実例探し中です。解りやすい例がありましたら教えてください!)


 
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不等速のカルダンジョイントを2つ使用し、生じる増速・減速を相殺して(片方のジョイントが増速するときにもうひとつのジョイントは減速すればよい)入力軸と出力軸の回転を等速にすることで、さまざまな用途に用いられることができます。まさにモトグッチのドライブシャフトでも、走行中にサスペンションが作動しスイングアームが動いてトランスミッションとファイナルミッションの位置関係が変化しても、しかも4輪のFR車などと比べて極端に近い為に、より以上角度がついても安心なのです。(スイングアームが動くと同時にトランスミッションとファイナルミッションの距離も変化していますが、分割式ドライブシャフトのスプラインが自由に長さを変えて対応します)
 
 
上の最後の画像は一番奥のニードルベアリングのインナーレースが磨耗してしまった様子です。ファイナルミッションのピニオンに、間違って組まれたダブルジョイントによって増速・減速の繰り返しつまり脈動が起こる。なぜ減速時があるかというとその回転位置で抵抗が生じているからであって、周速度が落ちるほどの抵抗があるなら出力軸に対して、抵抗が少ない角度差に戻そうとする(2つの軸がまっすぐになるように)力が働きます。そのせいでピニオンシャフトが振られてベアリングの破損にまで至りました。ベアリングは全て交換しましたが、小さくて一番弱い、また軸の先端にあるニードルベアリングがもっともわかりやすく磨耗・破壊に至ったのでした。
 
ついでにですが、V11までのファイナルケースのピニオンシャフトは相対する2つのテーパーローラーベアリングで保持されていましたが、V11ではボールベアリングとローラーベアリングの併用になりました。これは新作だった6速トランスミッションと同様にホイールベースを短くするための設計だと思われます。結果併用する2つのベアリングの距離が短く振れがおきやすいことを想定して奥にニードルベアリングを設置したのでしょう。さすがにゴクミは想定外だったと思いますが・・・・・。
 
 
mas


 
 

[お願い] 不要不急の外出は・・・

リパラーレは現在(4/20)のところ営業継続中です。ご存知の通り元々わんさかお客さまが集まる店ではなく、整備にお持ちになる方と完成車輌を引き取りに見える方が週末チョロッと(笑)いらっしゃるだけなのと、私はチャリ通勤、志賀はクルマ通勤で他者との接触が無いので出勤可能だろうという判断です。
 
そんな中、ポツリポツリといらっしゃるお客さまと話題になるのは「やっぱオートバイでツーリング出かけたらいけないのかな〜?」ということです。
*一人で走って止まらず帰ってくれば
*遠い他県には行かなければ
*人目につかないよう朝暗いうちに出て午前中に帰れば
等々、たしかにソロツーリングなら実害は無いと私も最初は思っていたし、ただ東京のナンバーが走り回ってるというイメージの問題は残るので、「人目につかないようにってことですかね〜」などと話していたのです。
 
ところが昨日ラジオの交通情報で国道134号江ノ島周辺と青梅街道青梅市の渋滞を伝えていて、「江ノ島混んでるのか!?でも青梅ってナニ?」と思っていたのですが、あとからSNSで青梅や奥多摩の方が悲鳴をあげてるのに気づきました。
 
許可を得て画像をお借りしました。


 
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↑4/11の画像 先週から始まっていたようです

 
 
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↑4/19の画像
ほかにも地元の方が観光客"襲来"の画像をたくさんあげていました
 
書かれていたのは
*都心方面ナンバー他県ナンバーが大挙やってきてる
*奥多摩湖の駐車場まで満車
*公共の駐車場でシート敷いて花見したりマスクもせずに歩き回ってる
*怖いのでやむなく店を閉めた
*スーパー等で観光客らしき人が地元民相手にトラブル起こした(数件)
 
運悪く集中が起きたのと、ひときわ無神経な人の存在が重なったこともありますが、それ以前にこの時期どこであれ誰であれ、よそ者が近づいてくることに恐怖を覚えるのは当然の話です。少人数であってもですね。ましてや高齢化率が高かったり病床数が少なかったりする地域はなおさらかと思います。
私も甘い考えを反省しました。ソロツーならいいかと言って、どうしてもトイレを借りたくなったら必ずどこかを触るし、もし急病や不慮の交通事故で出先の病院に担ぎ込まれたらそれこそ「オマエなにしに来たんだ!」と言われてしまいます。
 
条件をクリアすればいいということではなく、基本に戻って、「不要不急の外出はしない」。皆さまもよろしくお願いいたします。コロナを押さえ込んでから何も気にせず思いっきり走りましょう!
 
なお、モトグッチリパラーレは現在お渡しをお約束しているお客さまの整備が終わったら休業に入る予定です。そのときはまたお知らせいたします。
 
mas

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FALCO 350 初夢?

  • 2020.01.08 Wednesday
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幻の”FALCO 350”

昨年末、掃除をしていましたら懐かしい写真が出てきました。
発売寸前に中止になりました。

価格は当時のLeMansIIIより高額でした。
販売中止の理由は?・・・・・秘密です



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古い話ですみません。(苦笑)
RIPA-Shiga

謹賀新年

毎度ご愛顧いただきまして、有難うございます。
2020年も宜しくお願い申し上げます。


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志賀 太一

OFF ROAD EDITION

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9月はモトグッチのイベントの月、イベントはこの週末に開催され、マンデッロの知り合いからから画像が届きました。天気も良く盛り上がったようです。
 
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メーカーサイドはOPEN HOUSEでグッチスティを迎える一方、マンデッロのインターナショナル・ミーティング実行委員会はV85TTの発売を受けて、いままでモトグッチがリリースしてきたTTシリーズ、NTXシリーズ、QUOTA、STELVIOのオーナーを招き、また過去エンデューロレースで活躍した(ナショナルレースでモトグッチが勝っていた時期もあるのです)マシンやライダーを語るトークイベントなども催す「OFF ROAD EDITION」を開催しました。
 
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私も行きたかったのですがとてもムリ!!!
・・・・・せめて「独りOFF ROAD EDITION」ということで、イベントに先立つ金曜日にオフロードを走ってきました。向かったのは山梨の茅ヶ岳周辺をめぐる林道。サスペンションストロークに乏しいV65改スクランブラーでもそれなりに楽しめるフラットで明るい林道でした。
 
mas
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明けましておめでとうございます。

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2019年もご愛顧の程お願い申し上げます。


RIPA-Shiga
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