- 2010.07.28 Wednesday
- moto・・・・モトグッチ・整備など
-------オイルによる冷却装置
fig5-a
4Valve,LP系の特徴のひとつに積極的にオイルを利用したシリンダーヘッド排気バルブ付近の冷却です。
DAYTONA1000・4Valveの試作時でのシリンダーヘッドのトラブルが原因でかなり発売が遅れました、4Valveヘッドの設計は熱歪などの影響でかなり難しいようです。
LP系4Valveヘッドは新しい設計が見られます。
fig5-b
CADで描かれたシリンダーヘッドEXポート付近ですが、両EXバルブの周りにオイルラインを通しオイルによる冷却をしています。
fig5-c
シリンダーヘッドのカットモデルです。
EXバルブ付近にオイルラインがありますがライン内側にはネジを切った様な溝があります、オイルが通る時に抵抗で流速が落ちオイルの滞留時間を増やすと共に、オイルに接触する面積を増やす為に加工してあります。つまり、シリンダーフィンと空気(オイル)の関係と同じ作用です。
オイルはシリンダーのオイルラインを通りクランクケースへ戻り再びオイルポンプによりオイルラジエターへ送られて温度下げて再びシリンダーヘッドへ送られます。
*余談ですが、ピストンヘッドのバルブリセス等の加工状態が判りますが、これは試作時のイメージですので、シリンダーヘッド内側(燃焼室)は見せてません。なぜなら、優秀な設計者は燃焼室を見るとそのエンジンのパワー等性能が推測できるそうですから未だ発表したくなかったのでしょう。
スパークプラグは燃焼室中央にあり、”バルブはさみ角”は狭く燃焼室面積が小さくて現在考えられる最新の設計水準で燃費も良い様です。
fig5-d/e
EXポート付近のオイルラインを表したCAD図です。
T.Shiga