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1200cc OHC4Valve Engine-6

*LPR-fig5
-------オイルによる冷却装置
LPR fig5-a.jpg

fig5-a
4Valve,LP系の特徴のひとつに積極的にオイルを利用したシリンダーヘッド排気バルブ付近の冷却です。
DAYTONA1000・4Valveの試作時でのシリンダーヘッドのトラブルが原因でかなり発売が遅れました、4Valveヘッドの設計は熱歪などの影響でかなり難しいようです。
LP系4Valveヘッドは新しい設計が見られます。



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fig5-b

CADで描かれたシリンダーヘッドEXポート付近ですが、両EXバルブの周りにオイルラインを通しオイルによる冷却をしています。



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fig5-c

シリンダーヘッドのカットモデルです。
EXバルブ付近にオイルラインがありますがライン内側にはネジを切った様な溝があります、オイルが通る時に抵抗で流速が落ちオイルの滞留時間を増やすと共に、オイルに接触する面積を増やす為に加工してあります。つまり、シリンダーフィンと空気(オイル)の関係と同じ作用です。
オイルはシリンダーのオイルラインを通りクランクケースへ戻り再びオイルポンプによりオイルラジエターへ送られて温度下げて再びシリンダーヘッドへ送られます。


*余談ですが、ピストンヘッドのバルブリセス等の加工状態が判りますが、これは試作時のイメージですので、シリンダーヘッド内側(燃焼室)は見せてません。なぜなら、優秀な設計者は燃焼室を見るとそのエンジンのパワー等性能が推測できるそうですから未だ発表したくなかったのでしょう。
スパークプラグは燃焼室中央にあり、”バルブはさみ角”は狭く燃焼室面積が小さくて現在考えられる最新の設計水準で燃費も良い様です。




LPR fig5-d.jpg
fig5-d/e

EXポート付近のオイルラインを表したCAD図です。


LPR fig5-e.jpg

T.Shiga
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1200cc OHC4Valve Engine-5

*LPR-fig4
------バルブ伝動装置
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fig4-a

タイミングギヤトレイン、V7Sport以来のギヤによるバルブ伝動装置です。
クランクシャフトギヤによりオイルポンプギヤとカムチェインを駆動するアイドラーシャフトを駆動します。
アイドラーギヤとオイルポンプギヤはモジュールが異なりますのでクランクシャフトギヤは2枚重ねて組付けてあります。
-----しかし、ギヤのバックラッシュノイズ対策は? 不要な程精度が良いのか?



LPR fig4-b.jpg
fig4-b

カムチェインのレイアウトが判ると思います。(クラッチ側からのイメージ)



LPR fig4-c.jpg
fig4-c

シリンダーヘッドのスペースの都合で小径カムスプロケットとサイレントチェインです。
タイミングチェインに一般的なローラーチェインではなく”サイレントチェイン”を採用しています。
カムスプロケットが小径で歯数が少なくなるとスプロケットは円ではなく多角形という形状になり、カムシャフトは等速運動が出来ずにバルブの異常な動きや燃焼振動につながります。(バルブタイミングの狂い)
従って歯数は多いほど良く。歯数が概ね17T 以下くらいになると、上記の問題が大きく表面化します。 又、小径が故に一般的なローラーチェインではローラーとスプロケットとぶつかる様に噛合います、すなわち作動音が大きくなります。
これらを解決する為に、軸間のピッチを小さく出来、ピンとは別のプレート部がスプロケットと噛合いが静かな作動音となるサイレントチェインの採用です。
しかし、フリクションロスが大きいのが欠点ですが、騒音規制対策をも含め名称の如く静かなサイレントチェインとしました。
又、弊社HP”テクニカル 12”の項に詳しくありますが、チェインテンショナーは弓形(レバータイプ)となりガイドと共にタイミングチェイン振れを抑えています。



LPR fig4-d.jpg
fig.4-d

チェインテンショナーの取付け位置がRH/LHシリンダーでは異なります。



T.Shiga
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1200cc OHC4Valve Engine-4

*LPR-fig3
-----4バルブ機構に付いて
LPR fig3-a.jpg

fig3-a & b

ロッカーアーム、MOTO GUZZI既存の4バルブエンジンより大幅に剛性が向上しました。 初期のOHV90°Vツインの設計者G.C.カルカーノ氏に倣い このLPR型ではリブを要れアジャストスクリューの取付部の外径も大きくしています。   (後輩の設計者達はG.C.カルカーノ氏の設計を理解するのに何故数十年も掛かったのでしょうか、-----------?)


LPR fig3-b.jpg


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fig3-c

ロッカーアームホルダーセットはカムシャフト・バルブプランジャー・ロッカーアーム等 バルブ機構が一体で脱着が出来、合理的でメインテナンスがやり易くなっています。




LPR fig3-d.jpg
fig3-d

動弁機構の透視図です。部品のレイアウトが判ります。




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fig3-e

バルブステムエンドキャップが付いています、弊社HP”真実の口”の項に詳しくありますが、ロッカーアームがバルブを押しますとアジャストスクリューはバルブステム中心から少しオフセットした位置にありますので、スクリューがバルブを押した時にエンドキャップは回転し、関係部品の偏磨耗を防ぎます。




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fig3-f

既存のOHV90°Vツインには組付けて無かったバルブステムシールが新設されました。 一般的にステムシールは他のオイルシールのように完全にオイルをシールする様にはなっておりません、バルブガイドとバルブステムを潤滑する意味で少しオイルがバルブガイド側に滲入するようになっています。
又、バルブスプリングが通常、スプリングレートの異なる組合わせのダブルスプリングですが、LPRではシングルスプリングです。なぜ?詳細は後ほど。




LPR fig3-g.jpg
fig3-g

バルブプランジャーの動きを受けるロッカーアームにはプッシュロッド部の潤滑の為にオイルホールが設けてあり、又テーパーカットを施してあります。これは潤滑により効果がある親切な設計です。
又、カムシャフトとバルブプランジャーの関係は、カム面は僅かにテーパー状にしてあり尚且つプランジャー接触面をオフセットしてありますので、カムがプランジャーを押し上げる時にプランジャーは回転しながら上昇します。
詳細は弊社HP”テクニカル06”の項をご覧下さい。




LPR fig3-h.jpg
fig3-h

試作耐久テスト時のロッカーアーム関係部品




LPR fig3-i.jpg
fig3-i

T.Shiga
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1200cc OHC4Valve Engine-3

------エンジンレイアウトに付いて


LPR fig2.jpg
*LPR-fig2

-----LPR 型エンジンは従来の2Valveとは90%以上が新設計部品です。クランケース等を含め似て非なるものです。

1. インテークスロットルバルブ 
スロットルバルブ径50mm(V11系は45mm)で、スロットルケーブルプーリーはスロットル開き初期の過敏さを防ぐエキセントリック形状です。

2. カムチェインテンショナー
現在では常識的な弓型のテンショナーです。チェインガイドと共にチェインの振れを防いでいます。
http://www.motoguzzi-jp.com/technical/technical_r/technical_12_01.html

3. カムチェイン
従来のようなローラーチェインではありません。---詳細は後ほど

4. バルブロッカーアーム
従来の4バルブのものより剛性が増したデザインです。---詳細は後ほど

5. ロッカーアームホルダー
裏側にカムホルダーと共にカムシャフトを保持し表側(上部)ではロッカーアームシャフトは持たず直接ロッカーアームを保持しています。---詳細は後ほど

6. クラッチassy.
全て新設計です。2Valveとは互換性はありません。尚シングルプレートです。

7. インテークポート
2個のINバルブを持つインテーク、たっぷりと空気を吸い込む為に大きく口を開けている様です。

8. クランクシャフト
V7Specialより続く分厚いカウンターウエイトは健在です。 しかし初期のものよりカウンターウエイトをカットしてきています。
ダイナミックバランスをとったドリリングが見えます

T.Shiga

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1200cc OHC4Valve Engine-2

------エンジンレイアウトに付いて


LPR fig1.jpg

*LPR-fig1
1200cc4Valve(以下、LPRと称します。)のカットエンジンです。内部が見え易い様にタイミングカバーを外してあります。

1. オルタネーター(発電機)[12V540W]
以前1000Sの頃より数年間交流発電機を採用していましたが”BREVA1100”よりオルタネーターを採用しています。(1000S以前はV7Sportの頃より”オルタネーター”でした。)
発電(充電)効率の違い等で再採用となったのと思います。基本的に交流発電機ですが、整流(直流変換)の為のダイオードを内蔵してあり、オルタネーター内で直流電流にし、外部(バッテリー)へ流します。 ご覧のようにクランクシャフトよりプーリーにてリブドベルト介してオルタネーターを回転させています、プーリーの大きさが違いますがクランクシャフト回転より増速されてオルタネーターは回転しています。
(交流発電機とオルタネーターの違いは次の機会に説明致します。)

2. エキゾーストパイプ(以下、EXパイプ)
パイプが二重管構造となりEXパイプが排気熱により表面の変色を嫌って二重管にしました。?
--------それだけではありません、排気ガスが流れるインナーパイプは直接空気で冷やされずに高温を維持しやすくなります、即ち空気(排気ガス)は温度が高い程流速が増す特性を利用して排気を促進します。
又、二重管構造の最重要課題はこれだと思いますが、環境問題の為”キャタライザー”の温度を出来るだけ上げて排気ガスの浄化を促進します。

3. カムタイミングギヤ
タイミングギヤトレインとしまして、後ほど説明致します。

4. オイルポンプ
オイルポンプ単体としまして、後ほど説明致します。

5. オイルプレッシャーリリーフバルブ(オイルラジエター用)
このオイルポンプリリーフバルブはオイルラジエターへ送る油圧をコントロールする為のものです。
このリリーフバルブ部を通過したオイルはラジエターを通りシリンダーヘッド部へ送られEX.ポート付近を冷却します。

6. プライマリーオイルストレーナー
オイルポンプによりエンジンオイルを吸い上げる際に異物等吸い上げないようにする最初のろ過装置です。
車両の揺れなどによるエアー混入を防ぐ為に出来るだけ低い位置に取付けてあります。
(この後オイルサンプ内のオイルフィルターで数十ミクロン単位の異物をろ過します)

7. オイルラジェエター用オイルストレーナー
エンジンオイルを適正温度に保つ為にオイルラジェエターへオイルを送りますがその際に異物が混入しない様にオイルをろ過します。



T.Shiga
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