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2016年 謹賀新年

謹賀新年

2016年も最良の整備内容をめざしまして、業務に邁進してまいります。
皆様に於かれましてはご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。


昨年は期待してましたモデルは発表されませんでしたが、
さて、今年はどうでしょうか?


New model or First Dream.jpg

?ムムッ??・・・・・


RIPA-Shiga
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2015年のおしまいと・・・・・

MOTO GUZZI ご愛用の皆さま。

今年も暮れ様としておりますが、皆さまのお蔭をもちまして今年も無事業務を続けていく事が出来ました、御礼申し上げます。
翌 2016年もご愛顧の程宜しくお願い申し上げます。



s-Anima MGS-1.jpg 続きを読む>>
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V65 再生記 <5>

V65_015.jpg
 

今回はトランスミッションの組み立てです。
  
画像はレイシャフト(メインシャフトから駆動を受けて、減速してドライブシャフトに伝達する)です。図面はV65シリーズのシャフト・1stドリブンギア(右端)・シム・ウェービングワッシャー・ベアリングの位置関係が3種類あることを説明しています。
 
単純にパーツリストだけ見て判断すると現物との相違に戸惑ってしまうので要注意です。パーツリストは一般に初期型のカタチに沿っているからです。このミッションは3rdバージョンでした。
ちなみにこの画像のもっとも右側に位置する1stドリブンギアが、再生記<3> で書いたギアです。部品がそろったので組み立てにとりかかりました。
 
そろそろ組み立ても始まって、その様子も少しづつご紹介しています。実際、今回のようなトランスミッションの分解・組み立てなどされる方はそういらっしゃらないでしょうが、モトグッチメンテナンスブックでは触れられなかったモデルですので、違いなどを一部でもご紹介できればと考えています。


 
V65_016.jpg
 

この350・500cc・650ccそして750ccまで使われたトランスミッションですが、エンジン型式がPを頭文字にしていたのでP系としましょうか、同時期の850cc・1000cc(同様にV系)とは異なり、短いクラッチシャフトで1次減速をして、3分割のケースで構成されています。
 
シャフトへベアリングを圧入、ケースへ組み付け、などなど。作業工程をいちいち細かく書きませんが、何点かだけ・・・・・。
 
シフトリターンスプリングも交換します。この組みつけはV系と異なり、足を開いて組みます。メンテナンスブックはV系を例に説明していますので注意してください。
ところでこのスプリングですが、特に異常が認められないのに交換するのにはわけがあります。あくまでも私の経験則なのですが、中古車納車後など、オーナーが変わったあとになぜかこのスプリングが折れることが多いのです。このスプリングが折れるとシフト操作に支障をきたすので、新しいオーナーの方にとっては買ってすぐにとんでもないトラブルが生じることとなります。
 
この現象はなぜ起こるのだろうと考えましたが、もしかしたら作動速度の差に原因があるのではと思いいたりました。たとえばシフトペダルの操作時、すばやくガチャっと入れるか、押し込むようにコクッと入れるか?スプリングにとって、馴れ親しんだ作動速度があって、オーナーが変わったあと、それとは異なる速度の入力があるとそれが金属疲労につながって、あげく折れてしまうのでは?????スプリングにそのような"くせ"がつくのか?専門家に聞いてみたいところです。
 
ベアリングのケースへのかん合時にはロック剤を塗りますが、この場合に限らず、どこに塗るかによってロック剤がはみ出る方向が異なります。ケース内に落ちたり回転部位にかかってしまったりしないようどの部品のどの部分に塗っておくのか?という注意が必要です。
 
また画像ではさらにポンチでベアリングを押さえています。強い駆動力がかかるので、ケースとのかん合が甘いとベアリングにクリープ(現象)が生じて、ベアリングのアウターレースがシャフトの回転と反対方向に回されてしまうのです。
ある方向から見たとき、シャフトが時計回りに回っているとすると、ベアリングのインナーレースも一緒に時計回りに回り、ころ(ボールやローラー)のひとつひとつは反時計回りに自転します。そうすると、ころの相手側であるアウターレースにはころによって半時計回りの方向に応力がかかります。もしケースとアウターレースのかん合が甘ければ徐々に反時計回りに回されてしまい、さらにケースの変形を招いてしまうのです。ちょっと長い説明になってしまいましたが、イメージしていただけましたでしょうか?

 
 
V65_017.jpg
 

上の画像はクラッチシャフトです。ポンチが写っている画像のあいているベアリングに収まります。中をクラッチプッシュロッドが通っているので、オイルシールが必要になるのですが、問題はその向きです。ついつい指で持っているオイルシールのように上向きにしたくなってしまいますが、このシャフトでの「ケースの外側」は下ですので、下向きにつけなくてはなりません。
 
もしこれを間違えて組んでしまったら・・・・・・・走り出すとミッションオイルが漏れ始め、ここから出たオイルはすぐにクラッチプレートを濡らしてしまうので、クラッチが切れなくなったり滑ったり、再分解になります。オイルシールだけではなくオイルを吸ってしまったクラッチプレートも要交換となりますので被害甚大なのです!!!
 
クラッチシャフトには(アウトプットシャフトも)Oリングをかけるのも忘れずに。最後にオイルシールのリップが当たるカラーを入れてロックナットを締めます。カラーは下に内側のオイルを止めるOリング、外側にオイルシールが当たるのでシリコングリスをたっぷり塗りました。
 
ロックナットをロックして、ケースが組みあがりました。


 
V65_018.jpg
 

ついでクラッチプッシュロッドも組んでおきましょう。
まずはパーツリストの画像から。このプッシュロッドの向きは逆です。なぜわざわざ逆に書いたのか不明ですが、逆です(笑) 細いほうがクラッチ側になります。太いほうは後ろのレバー側のカップに入るので、間違えて組もうとしてもカップとロッドの径の差に違和感を感じて気づくかもしれませんが。
 
私のプッシュロッドはパーツリスト「A」のオイルシール(既出の小さいオイルシール)のリップの部分で偏磨耗が起きていました。・・・・・・・交換です。ロッドが2本並ぶ画像では右のものが後年式の新しいもので、レバー側のカップに入る部分に螺旋の溝がきってあります。回転によってカップの奥にオイルを送り込めるようになっています。またこの画像では見られませんが何箇所か焼きが入れられて強度を与えられています。こうした改良の恩恵も受けられるので要交換部品の追加追加あいつぐ追加も喜んで・・・・・受け入れることとします。
 
ボール盤の画像はプッシュロッドをコンパウンドで磨いているところです。特にオイルシールが当たるエリアと、パーツリスト「B」の段差の部分です。
プッシュロッドは細いほうから差込み、オイルシールに太いほうが入るまで入れなくてはならないので、オイルシールリップが段差を通過するときに傷まないよう、段差に「少しでも丸くなれ!」と念をこめながら磨きます。
 
そして、グリスをたっぷり塗って、カップやスラストベアリングとともに装着。トランスミッション完成となりました。
 
 
 
 
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さて、ここまでの画像をご覧になって気づいた方はかなり少ないと思いますが、まずこのシリーズの前提として、私が再生しているモトグッチは650ccだということ。であればトランスミッションは650cc用のものであるということ。このトランスミッションは外観は350から750まで同じであっても、中身は排気量に応じて2つに分かれているのです。この年代で言うならば350・500・650ccと3種類に。
 
先にクラッチシャフトと紹介した画像のうち、クラッチプレートとともに撮影したものがありますが、違和感を感じませんでしたか?クラッチシャフトのボス、クラッチプレートに収まる部分ですが、350・500ccのものは細く、650ccのものは太いという基本認識がありました。
ところが、今回の整備を始めるにあたり、ボスが細いほうであることが判明しました。


 
V65_019.jpg
 

650cc用のクラッチプレートを置いてみました。シャフトより受け手のクラッチプレートのほうが径が大きいのがわかると思います。
 
しまった!!なぜかわからないけど小さい排気量のトランスミッションだったのか!?と当初思っていたのでしたが、よくよく調べるとギア比は650ccのものだったのです。もう少し細かく書くと、ギア比は650cc、クラッチボスは350〜500cc、1次減速比は500ccのものでありました。元になった650フロリダのデータとは異なっていて、これはもしかしたら650ccを造り始めた初期〜過渡期のかも?とも思いましたが、そもそもフロリダ自体が650ccシリーズのなかでは後年式にあたるのでそれも違うようです。
 
謎が解消できないまま、このトランスミッションを使うかどうか悩みました。なぜなら、650cc発売当時にクラッチシャフトのボスが太くされたのは、排気量アップに伴って増大したトルクに対応するためにほかならないからです。ちなみにクラッチシャフトを太いものに換えることも考えましたが、それに伴ってベアリングも大きくなるのでカバーの交換か加工が必要になってしまいます。
結局、このトランスミッション自体は20000kmほど650ccのエンジンとともに走っていたのは間違いないので、現状特にトラブルが起きていない様子から、このまま使ってみることとしました。
 
果たして後年、トルク差に負けてこの部分にトラブルが生じるのか?もし壊れてしまったらイタリアのモト・マフィアにお願いして中古の正真正銘650cc用のトランスミションを入手することにします。


 
 
 
mas
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EICMAで発表、他にも・・・ありました。

”mgx21"

モトグッチリパラーレとしては、何も言う事はありません。(苦笑)



s-M_moto-guzzi-mgx-21_26.jpg
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s-M_moto-guzzi-mgx-21_11.jpg

RIPA-Shiga
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EICMAで発表、他にも・・・・

歴史あるミラノで開催されるサイクルショーEICMAにあわせて発表されました、
2機種"V9Bobber&RoamerV9"
排気量850cc、6速ミッションでシフトドラム作動機構変更によるシフトストロークの減少とシフトタッチの改良及びゼネレーターはインナーコイル(CDIピックアップコイル内臓)をカバー内部に取付てアウターマグネットをクランクシャフトに装着したオイルバス式です。
重いアウターマグネットをクランクシャフトに付ける事で850ccにしては軽めのクランクシャフトのフライホイールマスをカバーしてるのでしょうか。

勿論、スロットルバイワイヤとABS付
日本上陸はいつ?


s-moto_guzzi_v9_bobber_anteprima.jpg
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s-1517659104939181128.jpg

RIPA-Shiga
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V65 再生記 <4>

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今回はシリンダーヘッドを組み始めます。週に1回か2回、終業後にひっそり作業しているだけなので非常にゆっくりと進行しております(笑)
 
バルブとバルブガイドは振れが出てましたので交換します。メーカー指定の許容最大値は直径で0.055mmなのですが、画像のようなチェックもできます。
 
バルブガイドの頭を指で押さえて、バルブを勢いよくパッと抜く!すき間が小さければポンっと音がするのです。わたしのヘッドは・・・・・音がせず、ヌルッとバルブが抜けてきました(泣)


 
 
V65_012.jpg
 

このシリーズのエンジンは、現在のセールスの中心機種になったV7まで引き継がれてとても息の長いものになりました。2本のバルブはまっすぐ垂直に並び、ピストン燃焼室を持つ、シンプルというか地味な印象を受けるのですが。
 
でもそのおかげでプレスを使ってバルブガイドの交換ができるのです。お客さまのエンジンの場合はエンジン加工工場に依頼するのですが、自分のエンジンなのでせっかくだからトライしてみましょう。
 
まずヘッド全体をよく加熱してからガイドを慎重に抜きます。そして新しいガイドを傷めないよう特殊工具も使って圧入します。そしてゆっくり自然に冷やす。
 
ガイドはあらかじめバルブを通してチェックしていたのですが、圧入後は狭くなってバルブが入らなくなります。そこでリーマ通しをして内径をバルブステムに合わせてゆきます。削りすぎたらアウト!!自分のなので極力クリアランスを小さくしてみたい、でも狭すぎて焼きついたら・・・・・なんとも神経を使う場面が続きます。


 
 
V65_013.jpg
 

続いて擦り合わせをします。
と簡単に書きましたが、ピンとこない方のためにもう少し書くと、新しいバルブガイドとバルブをシリンダーヘッドに組むので、バルブシートとバルブの密着を良くするため(密着が足りないとよい圧縮が得られません)の作業です。
 
バルブとバルブシートの当たり面にコンパウンドをつけたうえで、エアフラッパーを使ってバルブを高速で往復させバルブシートに打ち付けることによって双方の当たり面がなじむ(微量に削られる)のです。バルブが並んだ画像の左のインテークバルブに白く当たりがついた跡が見えますでしょうか。これは少々頑張りすぎてしまいました。少し当たりが広すぎています。
 
その次の画像は下準備を終えていよいよシリンダーヘッドに各パーツを組み込むところですが、まずバルブステムにモリブデン・ペーストを擦り込んでいます。ブラシでゴシゴシやります。普通に塗布しても作動初期の潤滑不良を防ぎますが、擦り込むことによってその効果が増すのです。



V65_014.jpg

いよいよ組み付けです。コッターに脱落防止のグリスをつけてバルブステムに置いてゆきます。ちなみにバルブステムとコッターとリテーナーのマッチングは事前にチェックして、どのバルブをどこに使うかも最初に決めてから各作業をしています。
 
バルブを組んだら、ハンマーなどで軽くショックを与えて収まりをチェックします。・・・・・が、余り強く叩いたり、斜めにショックを与えたりしたら鋳鉄製のバルブガイドがコロッと折れてしまったりするので要注意です。
 
こうしてシリンダーヘッドが完成しました。


 
 
mas
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TEATRO LA GUZZI <4>

映画で出会えるモトグッチ 4(連載10回予定)
 
当劇場ではモトグッチが登場しているイタリア映画をご紹介しています。一部イタリアを舞台にした外国映画なども含まれています。画面をサッと横切るモトグッチを探して、イタリア映画を観てみませんか?
 
ざっとですが、以下のように分類してご紹介していこうと思います
 
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グルッポ アー (Gruppo A)主人公とからんでいるか、登場時間が多い
 
グルッポ ビ (Gruppo B)短いがそれなりにしっかりと写っている
 
グルッポ チ (Gruppo C)ほんの一瞬だけ
 
アルトリ(Altri)その他番外
 
あくまでモトグッチを中心にご紹介していきますので、イタリア映画論みたいな内容には期待しないでくださいませ!!なお、たぶんに個人的感想に基づくものであること、また若干のネタバレが含まれることをご理解くださいませ!! massi


 
 
Dscf0239.jpg
 
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★グルッポアーから、愛する二人を切なく描く

「ミラノの恋人」 (DELITTO D'AMORE) 1974伊
     ASIN: B00005FBL3

監督 ルイジ・コメンチーニ
出演 ジュリアーノ・ジェンマ、ステファーニア・サンドレッリ

シチリアから家族でミラノに移住しているカルメッラ(ステファーニャ・サンドレッリ)が、勤務先の工場でヌッロ(ジュリアーノ・ジェンマ)と出会う。南北の貞操感の違いも乗り越えて二人は婚約するが、鋳造部門にいたカルメッラは病に倒れる。

ヌッロの愛車は125ccのストルネッロ スポルト アメリカだ。
通勤に、二人乗りのデートにと、それはもう頻繁に登場する。アメリカというだけあって、幅広過ぎの感があるアップハンドルを装備している。
 
 
 
 
★グルッポビーからは、切ない片思いの・・・

「白夜」 (Le Notti Bianche) 1957伊
    ASIN: B000CEVWOC
    EAN: 4523215006828

監督 ルキーノ・ヴィスコンテイ
出演 マリア・シェル、マルチェッロ・マストロヤンニ

夜の街で、マリオ(マルチェッロ・マストロヤンニ)はナターリア(マリア・シェル)と出会う。マリオはナターリアに想いをよせるが、彼女はある男の帰りを毎夜待っていた。ドフトエフスキーの白夜が原作。不思議な街のムードに引き込まれる。

ナターリアにからんで来るのはバイクに2人乗りの青年だ。フロントフォーク・テールレンズ・オイルタンクなどからアイローネかファルコーネかと思われる。タンクマークを布で隠しているのは監督の意図からか???
ちなみに動きは軽快だ。
 
 
 
 
★グルッポチからは、切ない・・・勘違い

「狂ったバカンス」 (La voglia matta) 1962伊
     ASIN: B00Z0B4924
     EAN: 4944285800527


監督 ルチアーノ・サルーチェ
出演 カトリーヌ・スパーク、ウーゴ・トニャッツイ

40歳目前の技師アントニオ(ウーゴ・トニャッツイ)が、16歳のフランチェスカ(カトリーヌ・スパーク)に魅せられて、彼ら若者たちにからかわれ翻弄されてしまう。

アントニオが間の悪さやフランチェスカのいたずらのせいで、再度にわたって交通違反で検挙されてしまう。交通警官が乗っているのは、ファルコーネか?と言いたいところだが、フロントフォーク・リアフェンダーなどの雰囲気を見るとむしろロドラなど小排気量車に似ていて不明。他社製なのかも知れない。
 
 
 
 
★アルトリから、切ない、といえば

「道」 (La strada) 1954伊
    ASIN: B0000635SE
    EAN: 4933672226095


監督 フェデリコ・フェリーニ
出演 ジュリエッタ・マシーナ、アンソニー・クイン

フェリーニの名作。繊細で純真な少女ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)と大道芸人ザンパノ(アンソニー・クイン)の旅を描いた悲しい物語。2人が各地を回るのに使うのはエルコーレのような荷台付きバイクではあるが、残念ながら直立単気筒である。途中ザンパノが「アメリカ製だ」と説明している。


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V65 再生記 <3>

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エンジンに続いてトランスミッションも分解しました。全ベアリングの交換を前提とした分解なのでそこはよいとして、そのほかはたいていの場合何も起きていない部分のはずでしたが・・・・・まさかの1速ドリブンギア(右画像上部のもっとも大きいギア)の錆・腐食を発見しました!!!
 
まあ「開けておいて良かった」ということになります。急遽部品を手配しましたが、なぜかキレイにギア1枚だけのダメージです。走り始めてからミッションケース内で起きた(水分・湿気により)というより、組み込み前に何かしら原因があったのでは?と思わせるものがあります。


 
V65_008.jpg
 
続いてはファイナルミッション。
 
ピニオンシャフトをホールドするテーパーローラーベアリングのガタ発生は想定内でしたが(ガタが無くても、ベアリングはもちろん交換予定だったので)、こちらにもまさかの事態!!異常磨耗が起きていました。ピニオンギアにかじったようなキズ、リングギアには妙に滑らかに潰されたような磨耗。
 
これはオイル管理の悪さが原因かと思われます。定期的なオイル交換を怠ったか、不適正なオイルや粗悪なオイルを使っていたか、このまま走れば恐らくヒューンヒューンと唸り音が聞こえるでしょう。・・・・・・と、他人事のように書いていますが、正直これは手痛い出費になりました。
 
整備履歴の見えない中古車を買うときは、内部でこういうことが起きているものだと考えてください。「調子はいいですよ!」と言うセールストークはごく普通に聞きます。ですが、わざわざファイナルミッション内部まで確認してそう言っている業者がそうそういるとは思えませんよね?
 
もちろんリパラーレでも中古車販売時になかなかそこまで(ファイナルミッション分解整備)はいたしません。ただし、それは前オーナーの施した整備履歴がわかっているからであって、定期的な整備をしていれば異常は起きていないと推測できるからなのです。
 
V65_009.jpg
 

トランスミッション・ファイナルミッションの分解整備では、ベアリングを抜く作業が発生しますが、これは無理やり叩き出したりせず、ケースを加熱したうえ、必要があればプレスを使用して慎重に抜くことが大切です。
 
ケースはアルミ合金です。幾度もベアリングの出し入れをすれば甘くなっていってしまいます。オートバイの車歴のうち、そう頻繁にやる作業ではありませんが少しでもダメージ(変形など)を防ぐ用心が必要になります。 
 
加熱する効果はなにかと言いますと、鋼鉄のベアリングよりアルミ合金のケースのほうが膨張係数が高いので、その差によって"かんごう"が甘くなって抜き易くなります。ちなみに加熱後は決して急冷せず、緩やかに自然に冷やしてケースにひずみが生じないようにします。


 
V65_010.jpg
 

エンジン・トランスミッション・ファイナルミッションを全て分解しました。傷んだ塗装・錆などを落として、ネジ部のロック剤なども落とし、キレイさっぱり!いよいよ組み立てに移ります。


 
 
mas
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TEATRO LA GUZZI <3>

映画で出会えるモトグッチ 3(連載10回予定)
 
当劇場ではモトグッチが登場しているイタリア映画をご紹介しています。一部イタリアを舞台にした外国映画なども含まれています。画面をサッと横切るモトグッチを探して、イタリア映画を観てみませんか?
 
ざっとですが、以下のように分類してご紹介していこうと思います
 
---------------------------------------------
 
グルッポ アー (Gruppo A)主人公とからんでいるか、登場時間が多い
 
グルッポ ビ (Gruppo B)短いがそれなりにしっかりと写っている
 
グルッポ チ (Gruppo C)ほんの一瞬だけ
 
アルトリ(Altri)その他番外
 
あくまでモトグッチを中心にご紹介していきますので、イタリア映画論みたいな内容には期待しないでくださいませ!!なお、たぶんに個人的感想に基づくものであること、また若干のネタバレが含まれることをご理解くださいませ!! 

massi
 
Dscf0243.jpg
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★グルッポアーから、イタリア映画でもなくイタリアが舞台でもないが軍用アルチェがしっかり映っているので

「コレリ大尉のマンドリン」 (Captain Corelli's Mandolin) 2001
   ASIN: B000063TJE
   EAN: 4959241930965
 
監督 ジョン・マッデン
出演 ニコラス・ケイジ、ペネロペ・クルス

第二次大戦下の1940年、ギリシアのケファロニア島を独・伊軍が占領した。音楽を愛するアントニオ・コレッリ大尉(ニコラス・ケイジ)は島の娘ペラギア(ペネロペ・クルス)との恋に落ちるが、イタリアは連合国側に降伏してしまう。
 
島に不穏な空気が流れ、コレッリがペラギアの元へモトグッチで向かう。乗っているのはアルチェと見て間違いない。1939年からの生産なので、すぐに配備された車輌、という設定になるのであろうか。シングルサイレンサーの車体だが、バリエーションは特定しきれない。因みにニコラス・ケイジは作中、ニュートラルを出せずエンストさせてしまった。ダサイ。
 
 
 
 
★グルッポビーからも、アルチェ

「夜ごとの夢/イタリア幻想譚」 (La domenica specialmente) 1991伊
  ASIN: B00005FU35
 
監督 G・トルナトーレ、G・ベルトルッチ、M・T・ジョルダーナ
出演 ジャン・ユーグ・アングラード、フィリップ・ノワレ、ブルーノ・ガンツ

3監督によるオムニバス。「青い犬」「特別な日曜日」「炎の雪」からなる。

3作品の前後に挿入されたエピソード「小鳥と男」で、戦没者墓地にやって来る男(ジャン・ユーグ・アングラード)が乗っているのは、エキパイの向きなどからアルチェの2人乗りバージョンであろう。無骨なタンデム用ステップも見える。
 
 
 
 
★グルッポチからも、スーペルアルチェ

「フィオリーレ 花月の伝説」 (Fiorile) 1993伊仏独
   ASIN: B000FIHD7K
   EAN: 4571169961038
   
監督 パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ
出演 クラウデイオ・ビガーリ、ガラテア・ランツイ

その昔ナポレオン軍の軍資金を盗んだトスカーナのとある一族。大富豪になったが、数々の不幸に見舞われて呪われた一族と呼ばれるようになる。

戦時中反ファシスト運動で捕まり、丘の上に連れてこられたフィレンツエ大学の学生達。そこへ伝令がやって来る。左側に斜めに跳ね上がったサイレンサーは、時期に多少のずれがあるがスーペルアルチェだろうか。バタバタとした排気音。
 
 
 
 
★アルトリからは、1950年代前半から、モトグッチらしき姿がチラリと映る3作品を

「2ペンスの希望」(Due soldi di speranza)1951伊
「パンと恋と夢」(Pane,amore e fantasia)1953伊
「街の恋」(L'amore in citta)1953伊

 
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夏季休暇のお知らせ

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お客様 各位

毎度ご愛顧いただきまして有難うございます。


弊社夏季休暇の為、誠に勝手ながら下記の期間休業させていただきます。
ご迷惑をお掛けする事と思いますがご了承の程お願い申しあげます。

8月12日(水曜)〜8月15日(土曜)迄

16日(日曜)より通常通り営業致します。


宜しくお願い致します。


MOTO GUZZI RIPARARE Corp
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