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MOTO GUZZの大排気量 OHV エンジンは、V7Special--850 Le Mans--Le Mans 1000--1100 Sport--V11 Sport と開発が進むにつれて各モデルのカムシャフトとバルブクリアランスは変更されてきました。   
Sport 1100:V11 Sport に至ってはバルブクリアランスがそれ以前のモデルより狭く変更されましたので、その行程を考えてみました。

バルブクリアランスはカムシャフトのカムプロフィール(形状)と密接な関係がありますので、はじめにカムシャフトの動きを簡単に説明します。
このカムシャフトのカムプロフィールがエンジン性格のバルブタイミングを決定する重要なパーツです。

クランクシャフトが、吸入:圧縮で1回転、燃焼:排気で1回転で合計2回転=720度回る間に、カムシャフトは1回転=360度回っています。
ギヤとタイミングチェインによりエンジン回転より1/2に減速されて回転しているのです。


尚、MOTO GUZZIのエンジンで は Fig.1 の様にカムシャフトがクランクシャフトより高い位置に置かれ、正しくはこの状態をハイカムシャフトタイプと呼称します

Fig.2 にカムシャフトの断面略図を記します。

Fig.1

 Fig.2  


1 本のカムシャフトにRH/LH シリンダー用にそれぞれ IN /EXの2つのカム、合計4個のカム(山型の部分)を設けています。
カムシャフトの中心の円形をベースサークル(基本円)といい、その上の山型の部分(カム)でバルブプランジャー(円筒形)を押上げアルミ合金製の中空プッシュロッドを介し、鍛造製のロッカーアームを作動させバルブを押し開きます。
そして、開いたバルブはバルブスプリングの反撥力により閉じ、バルブシートに密着させて燃焼室を密閉状態にします。
カムシャフトが回転すると、ベースサークル部より徐々にカムの頂点に向かいバルブプランジャーを押します。(カム幅中心とバルブプランジャー中心を少しオフセットしていますので、バルブプランジャーは回りながら上下します。この時のバルブプランジャーとカムの異常磨耗を防ぐ為の設計については Tecnical no.6 項参照)

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