[22]
バルブはアイドリング状態でも毎分約500回というスピードで開閉しています、仮にカムプロフィールが単純な設計だとバルブプランジャーの押し上が急激な為に叩かれる様にバルブが開きカムリフト以上にバルブプランジャーが動いてしまうバルブジャンプを起こします。又、バルブが急激に閉まれば、バルブスプリングの反撥力でバルブシートに叩きつけられ、バルブバウンスを起こし数回バルブシートを叩く様に閉じ破損する事があります。 そこで、正しい設計をしたカムシャフトはカムのベースサークルとカム部の接線部で緩衝部分を設け、つまり、その緩衝部分がバルブの開閉を超高層ビルのエレベーターのようにスタート時(開)とストップ時(閉)にショックが無いようにし、バルブの損傷を防ぐと共にバルブノイズの発生をも防いでいます。尚、前述の作用をするにはベースサークルが大きい程カムの円周寸法が長く取れ緩衝部分を含む繊細なカムプロフィールをデザイン出来る為、ハイパワーで静かなエンジンを作る事が出来ます。



* Le Mans 1000 のカムシャフト [INバルブ作動角ー269度(中心角ATDC105.5) EXバルブ作動角ー269度(中心角ATDC103.5)]

バルブクリアランス----IN:0.20mm / EX:0.25mm
バルブタイミング----IN/open:29 BTDC--close:60 ABDC EX/open:58BBDC--close:31ATDC
(オーバーラップ60 度)--バルブ開度1.0mmの時のクランク角度を表示しています。

(上図のバルブタイミングをダイヤグラムで図式化すると以下の物になります)
▼クリックしてください、ウィンドウが開きます。

Technical Top