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 Lecco の街をバイパスするSuperStrada を走っていると、進入路から数台のMOTO GUZZI が合流して来ました。V11のサイドカーもいます。さらに他のグループも一緒になりました。やがてSuperStrada を離れて対向2車線路に入ったので追い抜きもままなりません。ですから自然と私を(本当はTaxiを)先頭とする集団が形成されてしまったのです。ミラーに映るヘッドライトの群れ!。Mandello del Lario に入って沿道にもちらほらとGUZZI 達の姿が!。とうとうやって来ました。
「あのスタンドはまだかな?」
私はガソリンスタンドを探しました。MOTO GUZZI 社への入り口の目印です。

「あった・・・・」
 スタンドが見えて来ました。(一瞬ドキリ) ホテルに荷物を置く為にまずVarenna に向かうTaxi にホーンで別れを告げてゆっくり右折します。臨時のゲートが設けられていてスタッフが進入車両をチェックしていますが、勿論Guzzista=グッツィスト だけがフリーパスで通過できます。ゆるやかな上り坂の先、右手の長い黄土色の建物がMOTO GUZZI 本社です。左折すると駐車スペース。以前と違って整備されてキレイに舗装されています。そのど真ん中の良い所にCalifornia を停める事ができました。
「遂に来てしまった。日本から里帰りする初めてのMOTO GUZZI じゃないのか!」
5年前の誓いが果たされたのです。

 9/29の朝6:00、Milano の今日は曇りで14℃ー21℃と3チャンネルが伝えています。が、アメダス(のような雲の合成画面)を見ると雲の集団がすぐ西のTorino あたりまで迫ってきているのです。今日の行き先は山岳地帯の入り口なので天気の崩れは早いでしょう。他のチャンネルの予報も見てみようとグルグルとチェックしていると7チャンネルで星占いに出くわしました。いつもなら全く無視するのですが、今朝は何故か水瓶座の順番を待ってしまうのです。
Amore ○○○○
Salute  ○○○
Lavoro ○○○○
 愛情運4、健康運3、仕事運4、まあまあ良いかという普通過ぎる結果に取り合えず満足して準備に取り掛かったのでした。ホテルの玄関を出て見るとCalifornia は無事で朝を迎えたようです。カバーやワイヤーロックをはずしてトランクを取り付け終わると、オーナーズクラブの皆さんもロビーに揃ったようです。見れば予約したTaxiも既に来て待っているではないですか!。Lavoro○○○○はまんざらでもないようです。

 さあ出発です。Mandello del Lario まで70km。まだまだMilano の地理不案内の私はTaxiのドライバー氏に
「私はモトで行きます。(途中まで)一緒に行きましょう」
と伝えて後ろに付きました。一緒に行きましょうどころか、連れてって下さいというのが真相です。8:30にスタートするとTaxi は予想外の方向へ方向へ方向へと曲がっていきます。太陽も無く私の方向感覚も消滅した後、いつの間にか高速の入り口に到達したのです。
 ランプを駆け上ってLecco に向けて北上です。Taxiドライバー氏は後ろの私を気遣うように110km/h程度で真ん中車線をキープしています。因みにこの路線はTangenziale=環状道路といって、いわゆるAuto Strada というより東京の外環自動車道のような機能を持っています。料金は一律でたったの2500リラ(170円)でした。
 Usmate から一般道に下りてさらに北上します。郊外の幹線です。時折街に入っては小さなロータリーを旋回しなくてはなりません。ペースはゆっくりなのですが、沿道のBar バールやAuto Officina=自動車整備工場を眺めたりと退屈はしません。こうしてTaxiの前に出る間も無くLago di Lecco=レッコ湖 が見えてきたのでした。

 ヘルメットを脱ぐともういくつかの視線を感じます。私は乏しい経験ながら、Barでもホテルでもお店でも最初のあいさつが大事という教訓を得ていました。誰かと目が合うとニッコリして
「Ciao!」
相手も笑ってあいさつしてくれます。すぐに話し掛けて来る人もだいぶいます。
「どこから? 走ってきたのか? 飛行機か? 写真撮ろう」
などとほぼ同じような事をITALIA語や英語で聞いてきます。遠くからニッコリ笑って親指を突き出してあいさつを送ってくる人達もいます。
 再来の喜びをじっくりと噛み締める暇さえありませんでしたが、GUZZI 乗りという共通項だけで旧知の友のように接してくれる暖かいGuzzisti!そして曇り空なのに光が溢れるVia Parodi!!(MOTO GUZZI 本社前の道路はパロディ通りといいます) 感慨深いMOTO GUZZI DAY の第1幕でありました。

Takahiro Masumoto

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