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この項ではITALIA ツーリングに必要と思われる渡航準備をご紹介します。
しかしこれは2001年における私の体験を元にまとめてご紹介するものですので、
必ずしもパーフェクトな情報ではありませんしこの通りにしなければという手引きでもありません。
ですから、これらの情報を元にして起きた結果に対して
責任を負う事はできませんのでご注意ください。

また関連のある機関・団体の中で、公共性の高いと思われる名称は明記しました。
その他に掲載許可をいちいち得ていませんので文中で明記を避けた企業・団体もあります。
それらについてはEメールでお問い合わせ下されば、必要に応じてお教えします。

どうかあなたがプランを立てられる際の参考にして頂ければと考えております。

 船で送るとなれば早くから準備を開始しなければなりません。因みに今回の私の場合は2001年4月13日にMOTO GUZZI 社のホームページにてMOTO GUZZI DAY の日程が発表されてから実質の準備を始めました。約半年前からという事になります。

*パスポート
申請の詳細は省略しますが、後の手続きに必要ですので最初に用意して下さい。


*国際運転免許証
運転免許試験場あるいは特定の警察署で交付されます。期限は1年ですので旅行の一月程前でも良いでしょう。即日交付されます。。国内での免許停止に連動して資格停止になるそうですので注意しましょう。
申請に必要なものは、国外運転免許交付申請書・パスポート・運転免許証・写真4cmX5cm・費用2650円です。


*国外用登録証書
国外用の車検証とご理解ください。モーターサイクル(以下MC )を登録している陸運支局(国土交通省)で交付されます。元の車検証が有効でなければなりません。国際ナンバーや自動車カルネの作製にも必要です。
申請に必要なものは、登録証書申請書・印鑑・自動車検査証・自賠責保険証書・パスポートです。


*自動車カルネ・国際ナンバープレート・
Jマークステッカー
これらは全て(社)日本自動車連盟(以下JAF)で用意します。
自動車カルネとはMC を相手国に一時輸入するのに必要な書類です。カルネを使って入国(渡航先に)と同じ状態で出国すれば関税が免除されます。車両と標準装備以外の物・予備部品・工具などとそれらの価額も全てリストアップしなければいけません。ただし必ずしもカルネが必要とは限らないようです。ツーリングで何ヶ国通過するかなどにより、JAF や運送業者(通関業者)と相談してください。
国際ナンバープレートは申請者が注文製作するかたちになりますので4200円の前払いをして10日程待たなくてはなりません。J マークステッカー(2枚520円)はMC に義務づけられていないようです。

まずはJAF に行って相談してください。申請の為の案内書に従って書類を作成します。印鑑証明書や連帯保証人も必要になります。カルネ作製費用21000円・クレーム処理の預託金30000円・カルネ保険金(要計算・私の場合10000円程でした)などが掛かります。


*GREEN CARD (グリーンカード)
GREEN CARD(ITALIA ではCarta Verde) とはEU 加盟国民以外の人が、EU 圏内で運転する際に義務づけられている賠償責任保険です。日本の自賠責保険と同様厳しく義務づけられています。通常は各国各地の税関周辺に代理店があるそうです。ITALIA ではACI(Automobile Club d'Italia) の承認を受けた代理店が扱っていますのでACI に問い合わせると紹介してくれます。もちろん有効期限以内ならITALIA から他のEU 加盟国に越境してもGREEN CARD は有効です。
期間は15・30・45・60・90日用などがあり、さらに長いものもあるようです。

ただ私の場合は旅行日程の問題で、GENOVA での通関からMILANO までの輸送も運送業者に委託しましたので、GREEN CARD は事前に日本まで送ってもらい、MC 引取り時には持って行けるよう手配しました。このように通信販売?を扱っている業者もあります。
15日の期限のものが手数料とITALIA からの書類送料込みで200000リラ(12000円程)でした。

(GREEN CARD については認知度が非常に低くて、陸運局・日本の損害保険会社・運送業者ITALIA スタッフ・観光業者などに尋ね回っても情報が得られませんでした。唯一JAF の方がGREEN CARD の存在をご存知でした。)

*任意保険
殆どの損害保険会社の海外旅行保険にはアメリカなどでのレンタカーの運転についての保障は確保されていますが、ヨーロッパでの運転や自分の四輪車・MC の運転まではカバーされていませんでした。私が調べた範囲では1社のみが日本人の為の海外での自動車保険を準備していました。(2週間の期限で3000円でした)


*運送
本来なら一番最初に検討を始めなければいけないものを、ここでは後回しにしてしまいました。運送などを委託する業者をまず決めて打ち合わせを進めないと後のスケジュールも定まりません。
尚、私は経費節約の為自分でCalifornia を梱包するつもりでしたが、梱包の際に業者の「ガス抜き証明」(ガソリンが空でないといけませんので)というものが必要だという事で断念しました。

以下は往きの輸送の状況です。
07/13---大井の梱包業者に引渡し
07/28---船が横浜を出港
08/27---船がGENOVA に入港
09/18---California がMILANO に入庫
09/27---California 受け取り

なお帰りは受け取りまで2ヶ月ちょうどでした。

さて肝心の費用なのですが、船便を前提として話を進めます。私は当初私自身の旅行費用も含めてトータル100万円と踏んで(細々と貯金して)準備をしたのですが、実際には100万円をだいぶ越えてしまいました。
箱の大きさや諸条件にかなり左右されるのですが、先に挙げた各種書類の手数料や保険代などを除いたMC だけの往復運送費に最低50万円は見ておく必要があります。私の場合は旅行日程が短い為に通関やMILANO までのITALIA 国内輸送まで委託した事や、無用のトラブルを防ぐためにあまり部品をバラさなかったので荷姿が大きかった事なども負担の要因でしたので、そこら辺を詰める事ができれば費用を圧縮できるでしょう。他に観光シーズンによる影響や選んだ運送業者などによっても金額に幅があると思います。


*その他
ITALIA では右側通行ですので、ヘッドライトをどうするか悩みました。日本向けのヘッドライトは右側の対向車が眩しくないように右側の照射光が低くカットされています。しかし左側は高い位置まで照らしていますので、ITALIA では左側を走る対向車にとって危険です。
そこでフランスの方に、フランスに来るイギリスの車がどうしているのか聞いてみましたら、高い位置を照らさないようにヘッドライトレンズに貼るステッカーが売られているというお話でした。ただしMC 用というのは無いそうです。結局はそのままで走ってしまいましたが、夜を避けましたのでAutostrada
以外ではヘッドライトも使わずトラブルはありませんでした。(最近のMC はどの国でも使えるフラットなカットのレンズが多いようです。)


Takahiro Masumoto

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