*交差点で
四輪車でなかったせいもあるのでしょうが、右側通行である事は殆ど気になりませんでした。ワインデイングでも我を忘れる程は走りませんでしたので・・・・・全く大丈夫でした。ただし交差点の左折は周りに判断材料になる車などがいないと一瞬戸惑うこともありました。また脇道への左折後に一度だけ左側を走ってしまいましたので、左折だけは要注意です。
ロータリー式の交差点は不安の種でしたが、MC の場合軽快さのおかげで困る事はありませんでした。またITALIA の車はMC にうっかり近づいて怪我でもさせたら大変だと思っているのか、こちらがロータリー内で急な車線変更を試みても進路を譲ってくれるのでした。自分を主張して鼻先を突っ込んでくるような車は皆無でした。(もっともタフな運転で知られるローマやナポリには行っていませんが)
また日本と違って信号機が控えめで、歩道上の人の頭より少し高い所にポツンある場合が多かったです。都市部では交差点に近づけば雰囲気でわかりますので例え信号が見えてなくても注意できますが、郊外や小さな街では調子に乗って走っていると脇にひっそりと立つ信号が赤になっていて慌てた事もありました。
慣れないうちは四輪の後ろをおどおどと走っていましたが、余裕が出てくると出られる所ではグイグイ前へ出て行くようになりました。すると自然と信号待ちでは先頭になるのですが、青になっていざ発進という時に後ろからクラクションを鳴らされた事がありました。観察してみると、先頭の運転者が老人でも女性でもお構いなく信号が青になった途端に2台目か3台目の車がクラクションを鳴らす場面がかなりあるのです。特別モタモタとしているようには見えないのですが、信号が青になる前に発進準備を完了していないと非難の対象になってしまうようです。
そこで試しに先頭になった時に交差道路の信号が青のうちから、ギアをローに入れクラッチをグッグッとつないで車体を少し動かしてみせました。つまり「セッカチな奴」を演出したわけです。すると後ろから文句を言われる事は無くなりました。
してみるといかにもITALIA 全体がセッカチに走っているようですが、学ぶべき態度も見せてもらいました。信号が変わってまだ横断歩道を渡りきらない老人などがいても、そんな時は皆じいっと待っていましたし、そばを乱暴に通過する車もいませんでした。また、信号にお構いなく車道を横切るおばあさんを見かける事もありましたが、車の方がちゃんと止まっておばあさんを見送っていたのです。
*車線・標識など
都市部では、日本でなら対向4車線はとれそうな道幅の通りも、駐車車両に端を占拠されているので実質2車線になっています。それ以上に大きな通りでも自分の走行方向が2車線になるか3車線になるかはドライバー次第といった感じで、大抵はすき間の多い2列になっています。車線のペイントが引かれていない石畳が多いので、車線を守ってキッチリ走るというのは無理なのかも知れません。
またど真ん中の車線を走っていた車が交差点直前になって、急に何かを思い出したように右左折の車線に割り込むといった光景をだいぶ見ましたので、直進だからと言って油断は禁物です。その割り込みは決してズルイからばかりではないようです。といいますのは街中では道案内が少なく、たとえあっても手前から出ているのではなくて交差点の角に
「空港→」とか「←中央駅」とか、小さく出ているだけですので、気づいたときには交差点に差し掛かってしまっているからです。
一方小さい街や郊外での道案内は交通がゆるやかで見通しも良かったせいもありますが、シンプルで見やすく道に迷う事はありませんでした。
交通標識は日本とデザインが同じものもありますし、図柄から容易に判断できるものが多いので助かります。これら交通標識についてはいろいろな紹介がされているようですので、ここでは比較的よく見かけたもので重要なものをご紹介します。
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*Autostrada は
3車線ある所では、左側車線が150-200?km/hで、中央車線が120-150km/hで、右側車線が90km/h前後で、というのが実際に走って感じた住み分けでした。
右側車線が90km/hというのはトレーラーなどの大型車が走っているからです。彼らは本当にゆっくりと右側を走っていて、進入路から別の車が合流してくる時はわざわざ自分がかなり手前から減速してあげる程の安全運転です。それでもたまに右側に作業車がいたりして車線が減ると中央車線に入ってくる事もあります。問題はそのあとなのです。左に出したウインカーを戻さないでそのまま中央車線を走るものですから、時々惑わされてしまいました。他の後続車はそんなのはいつもの事とばかりに減速もせずに抜いていましたが。
2車線の所では、左側車線が140-200?km/hで、右側車線が90-140km/hで、という雰囲気でしたが当然3車線に比べて全体のペースは落ちるようです。
ところで噂に違わずITALIA 人はスピード大好きでした。でも直線で抜いていった車にカーブが連続すると追いつくというパターンも多かったです。どうやらカーブが苦手、よく言えば慎重なようでした。それは一般道でも、また2輪でも当てはまる傾向でした。
Autostrada での道案内は日本の高速道路と同様に大きく表示されて見やすいものでした。一方予告標識の位置が現場に近いのは一般道と同じで、例えば車線減少などの標識を見たらすぐに対処しないと目の前にパイロンが迫って来ます。インターチェンジやサービスエリアでの合流・分岐でも、加速・減速の為の直線が短いので要注意です。MC なら加速力がありますし右側車線の大型車は必ず道を開けてくれるので合流はさほど心配要りませんが、出口での減速は間に合わないと大変です。
サービスエリアはかなり設置されています。日本のようにトイレと電話しかないパーキングエリアは混ざっていませんから給油で慌てる事も無く安心です。ただし、本線を走っていてガソリンスタンドのマークの下に数十kmの標識が出ていて、「あれー、次のサービスエリアまでそんなにあるのか」と思っていると、じきに「あと3km」というような標識と実際に3km先にサービスエリアがあるのです。では最初に見た数十kmの標識は何だったのでしょう?。しかもそのパターンは頻繁にあったのです。もしかするとその次のサービスエリアのスタンドの看板だったのでしょうか。「もうすぐサービスエリアがあるけどそこは○○ガソリンじゃないよ。○○ガソリンは○○km先です。」これは推測です。
尚、Autostrada の料金は500km走って45000リラ、約3000円(両替レートで)でした。領収書は要求しないと貰えません。
*その他に
一度だけ、一般道でしたが速度取締りに遭遇しました。対向車のパッシング(どこも同じですね)で気づいたので検挙はされませんでしたが、スピード天国だと思っていたITALIA でやっているとは思いませんでした。ただしその実態はのんびりとしたもので、女性警察官がハンデイタイプのスピードガンを構えていて、その横にFIATパトカーのボンネットに腰掛けた男性警察官が居るだけ。あんな直前で計測して車をどうやって止めるのでしょう?逃走しても追っかけてはこない気がします。
ガソリンスタンドでの給油はセリフを呪文のように暗記しておきました。しかしセッカチな店員さんがいると「super?=ハイオク?」「pieno?=満タン?」と矢継ぎ早に聞いて来ますので、セリフは無駄になりました。ガソリンの単価はハイオクで2145から2380リラでした。平均すると2255リラ、約150円でした。ガソリンスタンドも領収書は要求しないと貰えません。
ITALIA ではまだ有鉛ハイオクを売っていました。私は無鉛ハイオクしか入れませんでしたが、走行感覚・燃費とも日本と比べて違いはありませんでした。
暖機は皆走りながらやっています。ヨーロッパは排気ガスにシビアな意識・事情・(法律)があるようです。以前にもエンジン始動と同時に走り出す(勿論ゆっくりと)様子を見ていましたので、そのスタイルを踏襲しました。勿論私は日本の冬でもやっています。日本でも住宅地の中で騒音と排気ガスを出しながら、ダラダラと暖機する事はありません。家の目の前がいきなり幹線道路ではまずいですが、可能ならば最初はエンジンに大きな負荷を与えないようにしてゆっくりと走れば良いのです。
*おまけ
ツーリングに限らずITALIA 旅行に行く時に、「英語で何とかなるだろう」という方は多いと思います。実際ホテルなど観光施設や有名ショップでは何とかなるのでしょうが、業務的な会話内容に限られます。どこでも必ず少しは英語を話す人もいるでしょうが、鉄道・バス・タクシーではもう怪しくなります。私は元々英語もロクに使えませんでしたから、勿論ツーリングをするという特殊な事情もありましたが、この際ITALIA 語一本に絞りました。NHKラジオ講座の初級編を半年分(半年で1コースです)録音して繰り返して聞いただけでしたが、それで旅がいくらかでも楽しいものになりましたので是非挑戦してみて下さい。
────────ツーリングでのITALIA 語────────
不正確な部分がきっとあると思います。その点はご容赦下さい。
さて少しでもお役に立ちましたでしょうか?。
それでは良い旅を Buon Viaggio !!
MASSI=MOTO こと Takahiro Masumoto
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