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 たくさんのMOTO GUZZI が続々と暖かい巣へと戻ってきます。そして人の列がVia Parodi を埋めて伸びていきます。エントリーの為の大行列なのです。25000リラのエントリーフィーを支払えば記念品を貰えて、さらにそのエントリー表を元にクラッシクモデル賞や長距離賞や最年長ライダー賞など各種表彰が決定されるのです。

市販車が増えてきた為なのかも知れません。また以前から展示されているモニュメントの他に75周年MOTO GUZZI DAY の記念写真も飾られています。その中に当時の社長Sacchi氏と首相Prodi氏の写真もありました。5年前、MOTO GUZZI 本社前で私の目の前を群集の大騒ぎの中通り過ぎていったProdi氏。今やEU委員長である彼もまたGuzzista だったのです。今でも乗り続けているのでしょうか?。

 また敷地内にはV11 Le Mans やCalifornia Stone などの新車が、どうぞ跨ってくださいと無造作に置かれています。皆が代わる代わる跨ってみたり、記念写真を撮ったりしています。外国から来たゴツいライダーばかりではありません。子供をシートの上に乗せてあげている地元家族連れの姿もありました。そして雨が強く降ってきても人の囲みは消えずに順番を待っています。もちろん
「雨だからもうお開きですよ。」
と片付ける無粋な係員なんて登場しませんでした。

 突然坂の上からクラクションが響いてきました。ひしめくMOTO GUZZI と人の海を割りながら、なんと路線バスがやってきたのです。クラクションに応えて人波から歓声があがりました。意味の無い大歓声! そして決して積極的では無くほんの少しづつ道を開けていきます。
「何で俺たちの特別な場所をバスなんかが通ってるんだ?」
という抗議? でも皆笑っています。運転手も苦笑いしながらまたクラクション、また手を振って大歓声。砕氷船のように進むバス。示し合わせたようにわざとチョットづつ道を譲っているのです。本気の意地悪じゃないって皆がわかっています。自分達のお祭りを楽しんでいるのでした。

 ところで後にV11 Le Mans を走らせる機会がありました。若き先導ライダー氏はついていく私を丘陵地帯へいざないます。いくらかのアップダウン、コーナーを少し流したあと、丁字路に止まった彼は身体を伏せてアクセルを開ける仕草。私がうなずくのを確認するやいなやスタートしました。
「あれっ、どこまで出すんだ?」
160・・・170・・・。ベタ伏せになり何故か両脇を90°に広げた若きライダー氏は、まるでロボットが飛んでいく様。彼はすぐ右側を止まっているかのように走る女の子のモペッドをヒラリとかわしながら加速を続けます。
 白っぽいコンクリート舗装の2車線路がゆるいカーブを描いていきます。こんな所でとあきれつつも、なるほどまだV11 Le Mans の余裕を感じます。当然ギアはまだ残っているし、路面の荒れた部分でも接地感バツグン。高速域でも乗り手のイメージに忠実な車体。もちろんコーナーも安定感のあるスムーズな動きを見せます。写真で見るよりデザインも良く能力も高いカウルをまとった21世紀のLe Mans は、幅広く楽しめるマシンのようです。・・・とはいえ、一般路の狭さに恐れをなした私は少しづつ車間距離を広げていってしまったのでした。

 試乗を終えて先導ライダー氏が一言、
「まあ彼(私の事)は歩いていたけどネ。」

Takahiro Masumoto

 エントリーを済ませると工場やミュージアムなど社内の見学ができます。その中でやはりGalleria del Vento=風洞実験室は人気の的。今年はサービスたっぷりでわざわざV11がテスト本番さながらに中にセットされていました。この実験室のプロペラを回して見せる代わりにユニセフか赤十字宛てでも募金を集めれば、誰もが惜しみなく財!!を投じてかなり立派な金額になると思うのですが。でも舞い上げる落ち葉の後始末も大変そうです。
 工場の方は残念ながらNigusil(MOTO GUZZI 社のアルミシリンダーのメッキ技術)工場など半分近くの工程は今回は見学できませんでしたが、MOTO GUZZI 社の事前の宣伝通りに組み立て工場内は整理されてラインはスリムなものに変貌していました。ところでこの組み立てラインのフロアの東側から外を見るとテスト用の周回コースの一部が見えるのですが、現在ではこれは使われていないのだそうです。少し寂しい気もします。MOTO GUZZI の様々な変化も見て取れる工場見学でした。
 続いてミュージアム見学です。大人気のOtto Cilindori=V8レーサーやG.P=GuzziとParodiの名を冠した第1号車を始め、歴代市販車から試作エンジンまで展示されています。しかも以前は1フロアだったのが2フロアに増設されていました。

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